8月15日だっちゅーのに、なんちゅー寒さやねん。しかも床(ゆか)で寝てしまい体調悪し。でも風邪の心配はなし。なぜならクーラー付けてないから。
 近況報告。昨年は暇で困ったけど、今年はさらに暇で、貧乏まっしぐらですわ。おかげでDVD作ったり、ホームページ作ったりの日々でした。人前で女装するのも、14日のコトブキライブで今年2度目ってことかな。90年代は年間50〜70ライブでした。平均すれば週1以上だったのかな。
 歌うってことも今年はしてないね。そういえばコトブキさんも基本的に歌わない。あれは何系というのかな。テクノかな。わからないでやってます。コトブキ氏とか、横川氏とか、実は私と正反対とも言える訳でして、油性えす、亜星の、て感じかな。でも、だからこそ私に無い物、出来ないことをイパーイ持ってる訳で、私はコトブキ氏も横川氏も大好きなんですよ。彼らに限らず、皆、志向することはバラバラで、やりたい事は違います。同じってことはまず無いです。BUT、好きだから一緒にやるってことで、理由になってるとおもうよ。男女のことはどうなんですか。私は経験が少ないので何とも言えませんが。
 で「たま」も好きだったんです。解散しちゃうのね。超もったいないです。正直バカダナーと思います。一応メンバーに「思い直してよ」と言ってみたりもしました。たまは存在自体、在り方、有り様が特異だったんだよね。今、思いつくままに、20ぐらい日本のバンド名を書き出してみました。どのバンドもボーカル以外は取り替え可能なのです。はっきり言って、バンドマン、ミュージシャンなんて「やめちゃダメ〜」なんて言われても、2〜3回のライブが過ぎれば、客は忘れてるのです。百円ライター。サッカーや野球の選手より取り替え自由なのです。私は四半世紀数々のメンバーチェンジ、解散を見てきました。会社員が理由も無く辞め(させられ)るよりも簡単でした。送別会なんて有ったためしがない。
 20ぐらい書き出してみなさいよ。私が特異だなと思ったのは「たま」だけでした。ま、ビッグビジネスは別ですよ。グレイとか。X-JAPANも特異ではあるけど、よく知らないし、知りたく無い。あとYMOとか、ムーンライダースは特殊だと思う。
 たまは全員作詞作曲して自分で歌う。個性バラバラ。でも成り立っていたんだよね。ビートルズですよ。私は「たま」のメンバーになりたかったよ。なれっこないけどね。本当に好きだった。ヤナちゃん脱退してショックだったけど、ぶっちゃけ、おかげで自分がサポートする機会もあったし、超嬉しかった。初リハーサルの時、自分の聴き馴染んだ曲が目の前で再現されて、しかもその音の一部を自分が出していて、笑った。普通のバンドはレコードの音を再現するのは無理なのよ。そもそもドラムって、PAやレコーディングの卓を通して、ドンタッドドタッという音になるのよね。生音はかなり違うのよね。たまはCDと同じだよなあ。すべての音が過不足なく聴こえて、実に嬉しくなって笑ったなあ。手品の種明かしを見ているようだったよ。こんな気分は、どんな熱心なファンも体験できないだろう、という素敵な体験。
 いろんなミュージシャンと日本全国いろいろ行ったけど、たま(と、あがた氏)は変でした。たまとは1回だけ九州、沖縄ツワーに行ったのだけど、これは一生忘れられないよ。お寺に、古い映画館に、能楽堂。マジカルミステリーツワーでしたよ。らんちう、すごかったな。あと、阿佐ヶ谷で、1度だけ「さよなら人類」私もふくめて4人でリレーで歌ったのも嬉しかったな。
 「たま」はね、希望の星でした。理想でした。運営もね。皆さんが知ってる有名バンドは、メーカー(レコード会社)と契約があるから、プロダクションとか、マネージャーとかの環境があるんだよね。で、それはバンドを育てるというよりは、逆に足枷というか、間違ったプロ意識やストレスの原因にもなるみたい。なんて、実はよく知らないから程々にしておこう。でも、たまは独立採算事務所とスタジオが有りました。これはスゴイことだよ。3人が相談しながら成り立っていた。スゴイ。

 民主主義(デモクラシー)てのは、、なーんてことは私が語るようなことではないですけど…、民主主義が一番大事なんて思わないけどさ、でも人類は今のところ、そこに帰結していて、他には無いんだよ。カリスマが全ての権力、権限を持っていてよい筈がないでしょう。そりゃあ自分で自由と平等を覚悟するのは面倒臭いよね。だから権限は上に任せて無責任にやってる方が楽だよね。でもそれで良い訳ないでしょう。
 民主党に「民が主です」なんていわれるとウゲ〜と思いますけど、…なーんて、私らしく無いことを書いてしまいました。
 たまと民主主義。てのは関係ないか。でも、たまは偉いと思うのよ。普通ミュージシャンなんて商品だからね。あるいは吹けば飛ぶよな将棋の駒だからね。あるいは私のようにテキヤスタイルで「寄ってらっしゃい見てらっしゃい」ってやってる独り屋台だからね。
 なんだかうまく言えないなあ。たまの良さを伝えたかったんだよね。結局は、方法論(在り方)なんてお客さんには関係ないもんね。でも、会報を出したり、ファンクラブツワーが有ったり、そんなこともスゴイと思うのですよ。
 昔、15年ぐらい前「たま」ってスゴイと吹聴していたら、当時の事務所の人が「メリーさん、何言ってんですか、あれは小学生向きの商売ですよ。およげたいやきくんですよ」と言われて悲しくなったなあ。逆だよ。ロックなんて子供のおもちゃだよ。この私の文章を今読んでいる貴方。貴方がナウい音楽好き、あるいは芸術性とか技術至上主義なら勧めません。でも普通の神経の持ち主ならば、そしてユーモア好きならば、1度買って聴いてみなさいって。どのCDにも少なくとも2〜3曲は気に入る曲が有る筈だ。

 とはいえ、もうライブで「かなしいズボン」とか見れないのかと思うと、やりきれない気持ちですな。でもキット何年後かに、阿佐ヶ谷ラピュタとかで同窓会をやってくれると思う。スターパインズでもいいし。皆さんも時々直接お願いしてみましょうよ。

 でね、今、石川くんがソロアルバム作ろうとしていてね、私全面的に参加します。なんだかスゴイワクワクします。この気分は、あがた氏の永遠の遠国チョコレイトを作った時以来だ。20年の時空を越えて、また恐ろしいものが出来そうな気分で盛り上がっております。是非期待しておくれ。
2003.8.17

<ひとつ戻る