先週ソニンがテレホンショッキングに出ていて、あがっちゃって喋れないって。前回も出た後、控え室で社長に2時間怒られたって。。ビクーリ。物怖じしない現代っ子に見えるのにぃ。でも何となく気持ち分かるわぁ。  喋るのって…歌や演奏と全く違うのよね。焦るよね。皆さんも経験あると思うけど。無いでっか。こんな筈ではっ!と思うと、どんどん困った方にはまってゆく。先日のNHKFMのことなんすけどね。
 何だろうね全く。貴方も友人の結婚式のスピーチなどで、アガリますよね。あれは何だろう。たまーに非常識者がいて、わざと司会者を困らせたり、無闇に威張ったりする者もいる。サングラスしたままとかね。ばかみたい。

 マイペースでいいのに。と思うでしょ。ところが勝手が違うのよ。私も4〜5人の席なら初対面でもアガラずに、余裕でさばけるし、愉快にさせることも出来ます。
 あっ…それは相手が私のことを知ってる場合かもしれない。嫁方の親戚縁者だったら、極力気配を消して、なるべく喋らずに済まそうとするでしょうね。
 つまり…何だ…。勝手が違うのよ。どこに醤油があるのか、どの器を使えばよいのか分からない。ってゆーか、自分で何か作ろうなんて思わずに、邪魔にならないように指図を待ってりゃいいんだよね。
 と思うけど、それじゃいかん。自分でも何かしなくちゃ。手際よく。頭では分かってるんだけどね〜。その現場では空気が違うのよ。客は黙っているけれど、無言の圧力で「根暗のおっさん頑張れや〜」とか「あんた誰?余計なこと喋っとらんでサッサと引っ込みな」とか、空気で感じるですよ。

 それ以前に、杏子さんを(純ちゃんを、よたろうさんを、あがたさんを)困らせちゃいけない。もし彼が私にボールをパスしても、それを自分でドリブルしてシュートなんて以ての外。すぐにうまく返さなくては。でも思ったように返せない。  一人なら開き直れるよね。書くのは得意だから、それを読めばいいのだし。父の告別式でも喪主としてスピーチしたしね。チームプレイがプレッシャーなんですよ。嫌いじゃないから尚更困ったもんだ。
 投げる、打つ、走る、捕る、パス、ドリブル、シュート。楽しいんだけど「自分が1番好き」な人間には結構ムズカシーんです。

 歌も演奏も芝居も演技も、所詮やることは決まってる訳でして、予定調和ですよ。喋りは違うからね。意外性ですから。特に笑いは意外性ですから。
 NHKの司会者とかは、台本があって、あらかじめ用意された文言を相手に言わせようとする訳で。そして「へぇそうだったんですかぁ」とか驚いてみせても面白くも何ともない訳で。
 局アナなんてのは、美人局穴なんてのは話を進行させて、まとめるのが自分の役目だと思っていやがる。テンション低いんだよ。はしゃげばいいってもんじゃないけどさ。
 何てゆーか…実は私もよく分かってないんですけど。何だらふ。

 テンション上げる。つまり、どれだけはしゃげるか、はしゃいでる振りが出来るかってのも大事なことなんですよ。それも芸能の基本のひとつだと思うんですよね。
 喋りじゃないけど、横川氏も石川氏も凄いな、かなわねえなと思うし。
 喋りではTVに出てる人は皆スゴイけど、例えばマシュー南(藤井)とかね。まず自分を捨ててるよね。演技をしてるというより、成りきってるよね。うまく言えないけど、仮面でいいと思うんですよ。それがシャーマニズムに通じる、芸能の原型だと思います。
 なーんて、また偉そうな話になってますが、マシューとかって、ボケも突っ込みも自由自在で、何より会話力というか、絡みがスゴイ。
 私ってトロイので、会話において反射的に反応することが出来ないんです。相手の困惑が見えると、丸投げしちゃうんです。私のように年長だと相手も突っ込みづらいだろうし。
 いっそ相手が「からみづれ〜」とか「ちっちぇ〜」とか突っ込んでくれたら、ボケ甲斐も有ろうということなんですけど。中々難しいだろうね。

 先日のNHKFMでは、まず杏子さんが私に「その腕に付けているのは猿ですか」とせっかく振ってくれてるのに「チガウンデス」とか言ったきり喋れなくなってしまった。そこは存分にボケるところだろうがよ。全く腑甲斐ない。
 最後にも「その箱の楽器、弾いて音を出すのは、何ていう楽器」と折角ふってくれたのに「困った」とか言って黙ってしまいました。本当にナサケナイです。
 実は直前にNHKの人から、くれぐれも商品名は出さないようにと話がありまして、楽屋で私「カリンバってのはLP社の商品名なんだよね」とプチウンチクを披露してまして。
 それをそのまま言えばいいじゃねーか、ってことだったんですけど。とほほほ。
11/12

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