楽器話はツマンナイですよね。でも途中で止めた感が自分的に釈然としないので、続きを書かせていただきます。
 前回はぐちぐちタラタラと書きましたが、大雑把に俯瞰して見れば良い時代ではあったなァと。例えれば…くどい?例えなくてよい?…なんつーか、ジュピタ−8てのは、例えればトヨタ2000GTみたいなものか。余計に分からない?
 あの頃「アマチュアが買えない高い道具」を買うことによって、それを減価償却するために仕事をすること、が可能だった時代。それは短くて、バブルと共に弾けとんだけどね。しん平くんは「LinnDrum2」を買って、スタジオマニピュレーターみたいなことを始めたし。マサルくんは「シモンズ」買ったし。長谷川くんに至ってはフェアライト御買い上げですよ。1千万ぐらい?
 前回、私って「新製品大好き男」と勘違いさせたかもしんないけど、要するにシンセメーカーにも、勢いと心意気が有ったとです。私は逆に新製品に対しては、チョーシンチョーでありまして、DX-7も、KORG-M1も買いませんでした。Poly-6も、Juno-106も買いませんでした。まぁDX-7はロジカの黒井さんのを使いたおしました。M1は玄ちゃんのが裏山しくて悔しくて、逆に買いませんでした。で、業界全体がバブルに乗ってイケイケの1989(平成元年)私は、KORG-T3というチョーチュートパンツなシンセを買いました。宣誓書なるなM1と、売れまくったゼロワンの狭間に出たものです。何とも地味なT3。エムワンとかゼロワンとか、名前もイケテルけど、ティースリーって、語呂が悪いですよ。しかし細野さんが「T3っていいよね」と言ってたらしいのを心の支えに、私はこいつを使いまくって、いじめまくりました。

 1987年が、大体LPからCDに切り替わる時期でして、このバブル前後の数年間は何もかにもが胸囲的に変わった。20代の若者には感覚的に解せないだろうけど、とにかく変わったんだってばよ。シーケンサーによる自動演奏が普通になった。(実は打ち込みの方が労多くて、弾いた方が早いです。)私の「ドンキホーテの従者」(1992)の表ジャケに写ってる私意検査ぁは初代MC-500です。購入一覧表には書かなかったけど、大体2年で1台使いつぶしていて、今のMC-50で五代目ですね。
 シンセの音色もどんどんゴージャスになったけど、その反動で、慎ちゃんや横川くんは「サイン波がよい」と言っていた。つまりシンセサイズドするなと。私もヤプーズのダダダダイズム(1992)イントロはサイン波ですね。
 同じ頃、子供用アコーディオンでは物足りなさを感じて、中古でブガリを買ってるね。あの頃ブームの前で、中型のモノ少なくて、運命的な出会いだったような気もします。12年前なのだねぇ…。早ぇ〜もんだな〜。
 さて、1989年に買ったT3、要するにとても便利な奴なんです。便利しんせ。そこがプロに嫌われる所以なのですよ。まるで私のことではないか。そう思えば尚更不憫で手放せませんでしたが、十年経ってそろそろ修理の部品も心配ではあるし、次のこと考えねばなるまい。いっそのこともう1台T3買うかな、とも思いました。が、二台目として買うなら、T3の弱点をカヴァーするモノであるべきという判断で、オルガン専用機買いました。VK-7。
 もう…秋田でしょ。よし短く書きます。VK-7はガッカリ。すぐ下取り出して、KORG-TRITON。よし、これでT3は御隠居ということで、試しに自宅で2台並べて弾き比べてみたら、どっちもどっち。大差ないのです。愕然。むしろKORG-TRITONが重くて操作が複雑な分腹立たしい。それでも何とか慣れようと努力したのだが、T3に戻ってしまった〜。
 だいたひかるです。気分が良いので歌を歌います。♪どーでもいーですよー♪シンセサイザーに対するこだわり。

 それが結論ですな。ホントホント。もし私に「予算20万でシンセを買いたいのですが、何を買ったらよいでしょう」と相談されたら、どうしましょう。その予算から1万抜いて、私と寿司でも食いながら、大いに語り合おうではないか。モノより思いでだよ。ホント。
 さて、T3ですが、こないだ(2004.12)のメトロのライブ途中に鍵盤折れて、音が鳴りっぱなしで弾けない状態、つまり壊れました。後日、自分で修理しようとして、久しぶりに中身をズルズル出して鍵盤抜いたりはめたり色々やりましたら、今度はその音が出なくなってしもた。修理に出しました。3万かかると言われ、ボーデンヂシツ。
 やはり便利しんせも1台無いと仕事にならないので楽器屋で試し弾きして買いました。KORG-X5D新品で4万円!いくらなんでも安すぎない?80年代初頭、シンセのケースだけで¥77000てのがあったんすけど…。
 
このX5Dって奴は重さ4.5Kg。笑かしてくれるぜ。ZO-3(ギター)に負けません。 この20年間でも隔世の感がございますな。

 てゆーか、今はもうシンセサイザーという物体そのものが無くなりつつ有ります。数年前からソフトシンセといって、パソコンの中の話ですよ。そういえばスタジオに行っても、テープレコーダーも何レコーダーも無いもんね。
 なんつーか…やれやれ…トホホ…。もはや鞍上人なし鞍下馬なし、といった風情でございますな。録音なら、それもまたよし、ですが、ライブ中にパソコン操作をするだけってのは、一体何を見たら良いのか、私には理解できないでごんす。
2005.5.10
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