与太郎氏とジェスロタルを見ちゃったんだもんねーっと。「チケット有るけど行く?」って言われて、いぐいぐって言って。
 意外でしょ。仲悪いと思ってたでしょ。でも正直照れくさいっス。「ふたり」てのが苦手でして。相手が誰であろうと、親兄弟であろうと、同じバンドのメンバーであろうと、ふたりってのは避けたいです。特に食事とかは、ねぇ。困るんです。顔が引きつるんです。三人なら得意なんすけど。ましてや、初老のふたり。人生の晩秋が若かりし頃を夏かしんで、往年のハードロックバンドを見に行くの図。テヘッt。(~_~)
 あ…まさかヨタロウ氏がこれを読むことは無いと思うけど「よっちゃ〜ん三球〜!」
 でね、昼間からすこしソワソワして、予習しようとして。「アクアラング」全曲やるって噂だったんで、LP探したんだけど、これが無い。チッ…、15年前に、せんちゃんに貸したままなのではないか。..._| ̄|○。がっくし。たのむよ、ホント。現金2500円貸したのならばキレイに忘れてみせるけど、青少年の頃に買った、思い入れと思い出の詰まった物なんだぜぇ。一体どういうつもりなんだろうね。返してくれよって催促しない方が悪いってことなのですか。

 もういいや。忘れよう。と気を取り直して。さて。えーっと私、以前「ソガイカン」ってゆー本を出したんすけど、あえてレコードのこと、音楽に関することは書きませんでした。次の機会に先送りにしたのであります。で、次の本で、例えば具体的には「私に取っての重要な52枚のレコード」とかを書いているのです。
 何故こんな話をしているかというと、その52枚にもジェスロタルは入っておらんのです。でもねでもね、大好きなんです。なんて、言い訳なんすけど、ジェスロタルの場合レコードよりも、バンドやライブに対する態度、てゆか考え方、が、ぐっと来る。のかな。
 英国の森の城から出て来たようでいて、ユーモアのセンスがある。不確かな記憶だけど、当時イギリス国内の人気投票ライブアクト部門で、ツェッペリンに次ぐぐらいの人気が有った筈。でも評論家の一人が雑誌で酷評したら、1年間ライブを止めちゃったんだよね。私は31年前(エレピ購入直後)NHKホールで見ました。度肝抜かれました。規模は大きくないけど、正にシアトリカル。英国特有の諧謔精神。アメリカのラブ&ピースとは正反対。中世の騎士というよりは乞食スタイル。偏屈老人。ブルース臭さは無くて、やはり英国トラッドっつーか…プログレ…ではありました。実際「THICK AS A BRICK」(邦題ジェラルドの汚れなき世界)はAB面通して1曲(組曲)でして、当時そんな物は他に無かった筈。

 ホンジャ、悪いところも列挙してみましょうか。
1。声域が狭くて音域が低いので、イメージ暗い。で、曲の印象が似たモノが多くなる。
2。演奏力も有るし、アレンジも緻密なのだが、その分めまぐるしくて疲れる。POPとかファンキーとか無縁。ゴシックですな。
3。可愛らしさとか、セクシーとかいったものとは無縁。強面の神経質そうな求道者。
 ま、でもオトコノコにとっては、それもまた良しでして、つい真似したくなってしまう。私の2004年レトロワルツ(スターパインズカフェ)で「ガイア」をハードな曲にして歌ったんだけど、気分はジェスロタルでした。1994年eun(カルト)のLamamaで、間宮氏とジェスロタルの「ファットマン」を和訳で歌ったことも記憶に新しい。

 さて、今回のジェスロタル。そもそも外タレって(タトタレじゃないよ)すっかり行かなくなった。鱈フドゥとか、深紅オブワンとか、辺境モノは行くけどね。ロックはもう嫌だよ。外タレロックなんて、十年以上見てないと断言できる。見る必要なし。  さて、今回のジェスロタルですが、オープニングはハッタリも無く、あっさり出て来て始まった。イアンアンダースンはコザッパリとした羊飼い風。願わくは中世の西洋乞食スタイルであって欲しかったけどね。少し嫌な予感はしたのだが、曲が進むに連れて、懐かしさと、それが色褪せていないことにジーンとしちゃった。私の好きな「ワンダリングアラウンド」などアコースティカルな小品もいっぱいやってくれたし。何よりダラケた所が無い。60歳であろうと思われるが、一生懸命練習してきたのだろうな。メトロもこんな風にやれればいいんだけど…ねぇ。そーいえば、イアンアンダースンの三白眼と芝居がかった身のこなし、ヨタロウ氏と通じるところがあるやもしれない。ジェスヨタロ。…なんてね。(*^¬^*)
2005.5.14
上は1974年、下は2005年のジェスロタル、チケット半券

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