映画やアニメにおける演技というものに、以前からどうにも違和感を感じております。あれはあれでいいのかね。 そもそも・・・そもそもなんて書き出しは自分でハードル上げることになっちゃうのですが、音楽や美術は抽象的表現であり、物語など文学は、言葉を介して分からせるという意味において具象的表現である。芝居などの演技は、言葉で分かることをさらに具体的に演じることである。それは感情揺さぶり装置として機能します。 |
最近いつ泣いた?「いつ」てのは問題ではなくて「何で?」を聞きたい訳なんすけど。ま、聞くまでもないか。もらい泣きですよね。 映画、演劇、テレビ。です。私も同じですよ。あと歌ね(あえて音楽とは書きません)。あとコミックス。あと子供が健気に頑張ってるの見たりすると泣くよね。これも貰い泣きの一種ですが。 |
自分自身に起こった痛いこと、悔しいこと、寂しいことで泣くことって年に何回も無いよね。当然ですよ。何故当然かといえば、大人はそのような事態を体験的に回避するもんです。あるいは慣れるもんですよ。 自身が辛いのは避けたいけど、でも泣くとスッキリするから、人の演技とか歌とかで泣くのです。浄化作用。カタルシス。私も同じですよ。純粋馬鹿を見てはボーダの涙ですよ。ボーダホン。 |
しかし私は、コシバイとかワザとらしい台詞回しが嫌いです。なぜなら臭くて鼻が曲がりそうになるから。ワザトラで大袈裟でリアルじゃないから。特にアニメの声優が嫌いです。 若者が声優に成りたがる気持ちが、全く分からない。気持ちの悪い幼児語だったり、やたらハァハァ・・・ウック・・・ギャア〜とか、落ち着きが無いし。そもそも日常に腹式で会話する奴なんてイネーヨ。うるせえよ。・・・たまに居るけどね。 |
これは屁理屈だけれど、お笑いってのも、わざとらしくて、オーゲサで、リアルじゃなくて声もウルサイですが…、例えば日常の笑いってのは、失敗とか無知、勘違いに対するものであって、芸人のそれは違うんだよね。むしろわざと失敗する。誇張する。デフォルメ。オヤクソク。 そんな「お笑い」というものが好き。あらゆる表現形態の笑い的要素には興味があります。だから映画なら「ビートルズがやって来る、ヤァヤァヤァ」(ひどい邦題だ)とか、寅さんとか好きです。しかし世の分別ある人々は、バカバカしいとか言います。泣きが入るモノとか、テーマ(コンセプト)が明確なモノが良しとされるのだよね。 |
私も若い頃は、意味の無いモノより意味の有るモノが優れていると思いました。あるいは、優れていることは価値が有る、と思っていました。岩波ホールで名画といわれているモノも幾つか見たなぁ。「旅芸人の記録」とか、ヴィスコンティ物とか。アホクサ。 キューブリックは好きだし、フェリーニ物もまた見てみたい。ま、私の趣味を話したい訳ではないので、深入りしませんが。好きな映画はと聞かれたら即座に10本ぐらいは思い浮かびます。しかし好きな役者、俳優はと聞かれたら、思い浮かびません。 |
役者といえば、先月、小泉解散に際して、森喜朗がビールの空き缶と乾涸びたチーズ持ってインタビューに答えてましたね。日本中でTVに向かって「役者やのぅ」とツッコミを入れた筈です。あんな風にニヤリとさせてくれるのはまだ良いけど。現代劇というか、ドラマでリアルじゃないのはゲンナリする。 ・・・ま〜ねぇ、言うのは簡単だけど。 | 私、2〜3年前、ある人に声をかけて頂いて、バイト感覚で映画に出ました。あれは頓挫したんだろうなぁ。バイト代は貰ったので文句はないです。むしろ、あれが公開されたら自分的にヘコムだなぁ。 台詞もひとつ有ったけど、本当の私は絶対言わない内容でして、しかも独り言(?)。ぞんなやつはおらんやろ〜と監督に言いたかったけど、映画ってのは監督が支配するものだよね。やっぱ、そうなっちまうだな。どんな表現でも、共同作業ってあり得るのかな。分業にせよ、結局は誰かが権力(&責任)を持つことに成るであろわな。 |
この夏、伊波さんなんかと、たまたま椿三十郎を見る機会があった。私は途中から見たのだけど、クッサ〜!アリエネ〜!とか内心ツッコミ入れつつ。ラスト近くの決闘で、血が噴水のようにビュ〜と出て、笑いました。で、複雑な気持ちになった。リアルじゃないけど、笑えたから良かった。 う〜む。あれは黒沢的にも想定外だったろうけど、OKにしたんだろうな。リアルじゃなきゃダメ、という訳でもないってことか、・・・面白けりゃ結果オーライで良いってことか。ニヤリでも、プッでも。 |
でもアニメってひどいね。(ロックもひどいけどさ。)アニメはアニメで、無限の可能性がある筈なのに、30年以上ほとんど変わってないんとちゃう?見てないけどさ。 あ・・・チェコとか欧州の実験アニメは興味あります。小学生のとき11PMで久里洋二のアニメ見て衝撃だったし。 話しが逸れてきたので、とりあえずここらへんで。バイビー。 2005.9.19 |