2005 年度 感想文
 昨年も中古を中心に50枚ぐらいは買ったのかなぁ。でも聴かずにツンドクになっている。最近集中的に聴いているのだが、全部はチェックしきれません。
 もー2月だし恒例の「私の選んだ」を作りたいので見切り発車しました。でも決め手に欠けるような気がして、ミュージックマガジンを参考にポールウェラーとか買ってみました。ツマンネ〜!英国ではこれがベストなの?スタカンの方が百倍良かったね。もうロックは終わってるっちゅーこっちゃね。
 …と、ボヤキも毎年高齢。ホント毎年同じこと言ってます。ホホホ。
1. キサンジ・コンゴ 【ソワ・コンジュガル】2005
 でわ。気を取り直して。私の第1位はCDタイトル「コンゴトロニクス2」です。タワレコの試聴機で別のCD「コノノN°1」を聴いて、久々の電気ビリビリでした。タワーの試聴機ヘッドフォンを被ったまま笑い踊りをすると恥ずかしいので5秒で止めました。危ない所だった。「コノノN°1」鷲掴みにしてレジに走ろうとすると、試視機で映像が。あれ?これは?別のCD?DVD付きで2700円(税抜き)。お得じゃ。コノノは今度にしよう。
 て訳で、これはオムニバス。ザイールのリケンベ(カリンバ)をバンド的にやってるのです。トロニクスとはいえ、それはスピーカーから音を出すと言った程の意味です。この曲なんか歌はリンガラだね。夏かしいな。昔聴いたよ。日本のリンガラマニア(ブルースマニア)は気持ち悪かったよ。これはマニアに独占させたくないですな。
 DVDヤヴァイです。シロート手ぶれの安っぽい映像ですがリアルです。土人です。超カッコいいです。マジヤヴァイです。生まれ変わるならアフリカだね。ただし白人が奴隷にしたり搾取したり、武器やキリスト教を入れたりしない世の中だったのならね。
 これが夏に(8/27野音)来日するんだってさ。長生きはするもんだ。皆で土人踊りだぜ。わはは。コンゴトロ肉スの時代がやってくる。なんだかコンゴトモヨロシクみたいでカッコいいぜ。

2. RY COODER 【Soy Luz Y Sombra】2005『チャヴェスラヴィーン』
 若かりし頃はホントにライクーダー好きだったよ。彼も歳を取れば冗談の通じない頑固親父だよなぁ…と思っていたのだが、何も期待せずに買ったこれは立派なものでした。本物って言い方も嫌だけど…渋いけど楽しいです。
 アメリカ西海岸の貧乏なチカーノコミュニティ(ヒスパニック居住区)の物語?。実際ブックレットにぎっしり物語が有るのだが日本盤じゃなかったので読めない。でも読まなくても音楽の良さは分かる。分かる自分が嬉しい。
3. ソン・イマジナリオ 【A-3】1973
『ヌーヴェル・ヴァイヴ〜バランサ』 より
 これも何気なく買った中古盤。73年のブラジルなら良いに決まってる。MPB(ムジカポピュラーブラジレイラ)もその魅力は本来歌ですが、この曲はエレピのJAZZ風で6拍子?!ウ〜ム…ブラジルも奥が深いね。

4. PAUL McCARTNEY 【A Certain Softness】2005
5. PAUL McCARTNEY 【English Tea】『ケイオス・アンド・なんたら』
 私は新録新譜をあまり買いません。殆どガッカリですから。でもこれは買って良かった。1曲目は気が抜けたロック。2曲目は暗い。でも3曲目から俄然良い。しみじみ良い。
 ビートルズ以後の最高傑作は1971年の「RAM」だと思う。アレに比べれば今回のも随分寂しい。でもそれは当然なんだよね。リンダも死んじゃったし。彼は来年「When I'm 64」になっちゃう訳だし。その正直な寂しさがリアルで良いです。全部の楽器をひとりでやっているらしい。内省的。11曲目「自分の人生の裏庭を眺めやっている僕。」メトロの裏庭の旦那もソロアルバム作りなさいよ。
 で私はDVD付き3500円てのを買ったのだけど、これがまた良いです。DVD付きを買うべきです。プロデューサーのナイジャル・ゴルドリッチのインタビューも有り、彼にも感謝です。よくぞやってくれました。
6. JORGE BEN  『トロピカル』より
【オ・ナモラード・ダ・ヴィウヴァ】1977
 ブラジルのコンポーザーで一番好きなジョルジュベン。後半の速くなっていくところ、カッチョエ〜ィ。曲名もオナラモードみたいでカッチョエ〜ィ。

7. PAT KELLY 【A Hard Day's Night 】
2004 『BEATLES TRIBUTE』より
 トリビュート物って、あんまり好きじゃないなぁ。で、ビートルズ…またですか…もういいよ、と思いつつ笑えるかもと買ってみたら、50曲中10曲はスゴく良かった。ドレッドツェッペリンより良い。「死ぬのは奴らだ」なんてのが有って、ウケました。

8. MISSY ELLIOTT【Get ur Freak On (REMIX)】2001
『ミスE…ソー・アディクティブ』より
 このCDで踊りたくはならないけど、打込みヒップホップ系もたまには良いよね。ダンスフロアってよりもFM東京っぽい。あ。わたし素ナオじゃないです。この曲、今年のベアーズブギーで多いに参考にさせていただきました。てへ。
9. BECK【Crap Hands】2005 『グエロ』より
 前作、シーチェンジは面白くも何ともなかった。で今回1曲目で、ウゲッ…ロックですか、とガッカリしたけど、2曲目からはニヤリ笑いのBECK節でした。日本盤のみのボーナストラックのこの曲にしました。このバカバカしさ。ニャ〜!ファンキ〜!
 これもDVD付き限定版があったのね。それにすれば良かったぁ。

10. JAMES BROWN【There it is.PT.1】1972
『50thアニヴァーサリー・コレクション』より
 とはいえ、JB御大に出てこられては誰もかなわない。これはCD2枚組とDVD1枚で4200円。1958デビューから1979頃までの50曲と、ライブ映像などの御得感てんこもり。アフリカ・バンバーターなどもインタブーされているが、残念ながら日本語字幕は無し。リハ映像は貴重。ライブは最近の物。ダンサー二人が可愛いのよ。で、切れの良さがハンパない。倍速で見てるのかと思った。
11. JIMI HENDRIX EXPERIENCE【Little Wing】1969
『アンリリースト&レアマスターズ』より
 ジミヘンが生まれたのはポールと一緒。死んだのは27歳。1970、9月に燃え尽きるまでに4年弱で4枚のアルバムしか作ってないのに、死後百枚近くのアルバムが本人に無断で出された訳やね。これは2000年に出たCD4枚組。これがまた殆ど未発表のもので音質も良くなってるって。どゆこっちゃねん。この曲はマジ泣ける。つーか鳥肌です。後奏10小節目のブレイクで使うアーミングで滂沱の涙。クラプトンのカヴァーはホントつまんない。ちとせちんのカヴァー(青盤)はナカナカ良かったです。

12. WES MONTGOMERY 【S.O.S】(テイク2)
1962 『フルハウス(+3)』より
 あの頃のJAZZ。ピアノはウィントン・ケリー。高校時代、友人がA&Mのウェス・門後メリーを頑張ってコピーしていて、後日特殊なチューニング(調弦)らしいと聞いて、顔がこわばっていた。

13. JOHNNY GUITAR WATSON 【Too Tired】1956
 ブルース&ソウルレコーズ.No61付録。吾妻光良選曲によるジャンピンギター集から。解説文が面白かったので以下に転載します。
「弾いているところも凄いけど、もっと凄いのが音を止めた瞬間だ、というまるで姿三四郎の空気投げ、みたいなスタイルなのである。イントロのタータートチティエロッ!という一発だけで、もう畳に沈められてしまうのである。」

14. ROBERT WILKINS 【Alabama Blues】
『ピーボディホテル・セッションズ1929』
 1929年に、当時の人気者がこのホテルに集められて録音大会があった。1年遅かったら不況のあおりでブルースの録音はすっかり無くなっていた。「That's No Way…」(ストーンズ放蕩息子の原曲)を選びたかったけど、以前に買って聴いた曲は選ばないという自分縛りがあるのでこの曲にした。もしフィルムが回っていたら…なんてね。写真さえ殆ど無いのよ。最古のブルース映像は1960頃のものだと思う。
15. 細野晴臣 【自転車2】2005 『メゾン・ド・ヒミコ』より
 私が毎年買った物からカセットに編集して感想書いたり始めたのは、1982年です。日本人アーティストで最多登場は、たま関係。次が細野さん関係で、あとは横川氏、戸川氏、NAV KATZEといったところが常連だったかな。1982(初回)には細野さんのフィルハーモニーが入っていた。2005年のこれはサントラでして、ぶっちゃけもう聴かないな。細野さん関係の素敵なCDはイパーイイパーイ有るからね。サントラってのは映画の付録ですよ。
 この2枚組の「2」が三虎で「1」が元になった録音物。「1」から「2」に成った時、没になったり、2分30秒のものが1分になったり、セリフに音がかき消されたり、足りない部分をコシミハルさんが補って作り足したり。つまり何だか寂しい気持ちになっちゃった。彼程の芸術家ならば、もう仕事しなくていいと思います。居間でギターやピアノをポロンと弾いて、パソコンにネタが溜まったら年に1度CDにして、3千人ぐらいのホールで10曲ぐらい好きな歌だけ歌ってくれたら。そんな優雅な暮らしが許される、日本でも数少ない芸術家だと思うけどなぁ。

16. 福岡史朗&BOXCOX 【固いパン】2005『サンタイガー』より
 1年前は客席で「愉快だな、かこいいな」とニヤニヤ見ながら、私もあのバンドで、オルガン白玉(全音符)ビャーでも、マラカスでもいいから参加したいなと思ってました。ぶっちゃけロックバンドは、見るのもやるのも、もーいーや、なんですけど、もっと言えば誰がジョーズとか、感動するとか、そんな美食家的態度から、オイラいち抜けたです。でもね、面白い物は面白いのでして、福岡くんのは閉店後のまかない飯を食べさせてもらったような気分?例えが悪い?
 実際録音やライブに参加させてもらって気が付いたのは、これは何か「のための」音楽ではないから、ピアノだろうとアコデだろうと、弾いても良し、休んでもよし、自由度が高いんです。映画の為の音楽ではない。歌手の為の伴奏ではない。客に元気をあげるためのライブではない。言いたいことを伝えるためのCDではない。泣き王女の為のパヴァーヌではない。とにかく何かの為の何かではない。んだと思うよ。
 ジャンケンて、普通は何かの為にするけど、それ自体面白い。じゃんけんぽんで5人同時にパーだったら、それだけで愉快です。そしてライブで気が付いちゃったのは、歌にハモレルってのが嬉しいです。楽しいです。声を重ねて嬉しくなるってのが音楽の出発点だなぁ。全ての生きとし生きるモノの根本だなぁ。と思いました。…そんなオーヴァーな…。
17. RUFUS WAINWRIGHT 【Waiting For Dream】2005 『ウォント・トゥー』より
 ミュージックマガジンの昨年度アメリカ部門BESTだということで買ってみたんだけど…。英語圏てのは終わってるんだね。でもジャケットデザイン賞として選びました。ロココ調?ミュシャとかって、それはアールヌーボーですけど。言わば、お耽美?嫌いじゃないです。ナル全開のビジュアル系と違って、真性ゲイ。なのに女装って珍しくないですか。フェアリ〜。裏山鹿。
 父君のラウドン・ウェインライト三世は昔好きでした。1972のLP、久しぶりに引っ張りだして聴いてみた。1曲目、デッドスカンク。キャ〜。父君の方が80倍面白いよぅ。
 今回も偉そうに。上から目線で言いたい放題でした。ごめんなさい。少しでも聴いてみたくなっちゃった人は、ココニメールくださいね。
2006.2

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