松尾スズキ『宗教が往く』読了。長かったぁ〜。脱稿までに5年かかったそうです。その間に21世紀になり、「演出助手だった官九郎は名実ともに日本一の売れっ子作家になった」とも書いてあった。他に針粉とか、ダイダイとか、聞き覚えの有る名詞がイパーイ出て来る。「キレイ」初演も再演も見るコアなファンには楽しめると思うよ〜。ただ基本はブラックな笑いで、暴力と、SEX、血と変態ですけど。  ちどくの私にしては速読だったなぁ。考え込む必要が無いし。洋物や歴史物みたいに、状況や背景や人物に対する説明でウンザリすることもないし。テンポが良い。
 全ての表現において、表現者が留意すべきは、リズム感、店舗感なのかもしんないね。面白文体でどんどん読めるけど、私の顔はニヤリとも、くすりともしなかった。でも面白い本ですのよ。例えば貴方、私の掲示板オモシロいでしょ?面白いから見てくれるんだよね?でもTVを見るときのように笑わないよね。なぜか。
 情報量が違いすぎる。リアルタイムの勢いに比べたら、どんな文章であろうとも、感情揺さぶり装置としてはかなわない。例えば、同じ川柳でも活字で読むより、きみまろが読む方が絶対笑いに成る。てゆ〜かぁ〜、そもそもどんな面白本よりも、目の前でやられる「あっち向いてホイ」には敵わねえよ。笑いでは。

 また…熱く語っちまった。ま、その、オモシロかったということですが。でも例外として電車男(本)は笑ったな〜。なぜ?あれはAAや顔文字が重要なんだよね。卑怯という点ではコロッケの顔芸みたいなもんだ。それこそがPUNKなのかもね。
 あっ!そうか。紙媒体の小説というメディアが終わりつつあるのか。絵画も舞踏も、小説も映画も、そして音楽(作曲されたモノを歌や演奏で表現)も過去の娯楽になりつつあるわいなぁ。
 まーた話を拡げて…しゅーしゅー付くのかい。「どのジャンルも消滅はしないと思う」ですか。そりゃ趣味としてはね。ホント芸術がプロとしてやっていくのは不可能になりつつあるよ。貴方!小説、映画、コンサート、CDに昨年それぞれ何円使った?ねっ!それが現実よ。お金はパソコンと携帯が吸い上げていく時代よ。プロの芸術家として、表現を売って食って行くつもりの人が、出て来るわけがない。

 かく言う私も本といえば、本屋の奥の半分には足を踏み入れず、小説は久しぶりじゃった。この前は…何だ…昨年、中島らも「白いメリーさん」以来かよっ!しかも古本屋かヤフオクときたもんだ。
 話がトッ散らかりましたが『宗教が往く』長過ぎるけど面白い。てゆか小説って面白いに決まってるんだよ。「山なしオチなし意味なし」のヤオイ系(?)みたいなモノ以外はね。面白いに決まってるけど、時間や脳を使うからしんどいよね。
 ちなみに、これと、ビートたけし「教祖誕生」大槻ケンヂ「新興宗教オモイデ教」は私的に宗教三部作です。
 あっ!あとマンガだけど「20世紀少年」の状況設定が「宗教が往く」に近い。伝染病ウィルスも出て来るし。
2006.3.30(純ちゃんたんジョービ)

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