帰りの新幹線は、爆睡の予感がしていたのだが、後ろの席の2歳児が「ギャアア!ワア〜!」と奇声を発するので一睡も出来ず。人間の耳は、自動的に音を選んで脳に送っている。が、私は職業病なのか、このフィルター機能がすぐ壊れる。
 そうなると、尖端恐怖症のごとくで、パニックになっちゃうのよね。…って何度も書いてます。
 うるさい子供は消したくなるよね〜。つーか、トボケている親の首を絞めながら「コドモダマラセロォ」と怒鳴りたいよね〜。
 書き出しから脱線しました。若者は「人生に意味は有るのか?何の為に生きるのか?」と問いたりするもんですが、普通に答えるならば、DNAを残す為です。これは全ての生物の本能ですから。異議を唱える人はいないでしょう。
 もちろん大抵は、目的達成前に他の生物に食べられてしまうもんです。生物は、生物を食べる以外に、生きる方法は無いですから。無機物を食べる訳にはいかない。無機物は吸収されない。

 私には子供がいません。これは生物としての、最も基本的な当り前のことが出来ていないということ。負け組ということかもしれない。でもね、私に子育ては無理だと思う。
 ぬいぐるみが見つからないという時に、ドキドキして何も手に付かないような男が、本物の子供が終電過ぎても帰ってこなかったりしたら発狂するだろうね。
 親の責任、とは何だろう。子供に世の中のことを教える。人の物を取って来てはイケナイ。道に寝転がって通行の邪魔をしてはイケナイ。意味も無く大声を出してはイケナイ。イケナイづくし。「イケル」は教える必要ないからね。

 世の中の「イケナイ尽くし」については「ナゼ」と聞かれても困る。私自身、世の中が好きでも大事でもないが、子供には世の中を教えない訳にはいかない。哀しくなるだろうなぁ。私はメソメソ泣きながら「頼むから他人が迷惑がるようなことはヤメてくれ」と子供に言うです。それは自分が悲しくなることです。
 学校にも行かせたくないけど、行かせるだろう。で悲しくなります。子供がヌイグルミを虐めたら、キツく叱ってしまうだろなぁ。で、それもこれも全部悲しくなるだろう。もし子育てに夢中で悲しくならなかったら、それは悲しむべきコトだと思う。…つまり子育ては無理だと思う。私は楽観的な方ですけど。ホントホント。
 そもそも人間とか世の中は嫌いなので、犬を子供の代わりにします。犬を友人にします。…でも、それさえも責任が大きくて、飼うに至らない。
 犬も人間も、子供がカワイイのは当り前。でも大きくなると可愛くなくなる。子犬も子供も、可愛いのには理由がある。つまり、どんな動物でも、自分で餌は取れないので、面倒を見てもらう為に可愛くなってる。生物の進化のプラグラム上に自然に為されたこと。
 しかし人間という動物は、保護されるべき「カワイさ」を逆に性的満足の対象として見るからエゲツナイよね。

 嫁は子供服関係なので、子供をたくさん相手にする。たくさん相手にしていて、子供が好きではない。実は私も、他人の子供は好きではない。見るだけなら可愛いけど。
 先日見た「真黒毛ぼっくす」にはメンバーとして小3(?)の女子がいる。物怖じせず、調子にも乗らず、的確なコーラスと打楽器とグロッケン。感心した。ついつい見とれてしまう。今までに無い不思議な光景。彼女の視線は、自分の楽器か、隣で体を震わせて歌う父親を向く。
 TVに御調子者の小学生が出て来ると、1秒でも見たくないので慌ててチャンネルを変える程ですが、真黒毛の少女は異様に写った。何故だろう。私の常識では、親ってのは子供を叱ったり甘やかしたりするもんで、あのような関係は信じがたいモノです。

 それと…一般的にステージに上がる者は、自己顕示欲の強い者か、あるいは私のように技術を対価に演奏する者の、どちらかだと思うけど、少女はどちらでも無かった。不思議な光景でした。

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