自由席に乗る人々の行列の、後ろに付いて、 |
この自動扉が、引っ切りなしに、 |
乗客は皆、妙に無口。 達観したような40女。達観出来ない青年。 矢鱈とキョロキョロ見回すオッサン。 落ち着きの無い幼い兄弟。 死んでも良い程、幸せの絶頂にいる恋人達。 |
全ての人々は無口。列車は暗闇を突き進む。 「只今、海底駅を通過」と電光掲示が流れる。 スゴイ風音。 スカイダイビングって、こんな音かもしれない。 車輪の音も「ソイヤサッドイヤサッ」と聞こえる。 |
おそらく…(逆に読めば、くらそお) JRは、惜しげも無く冷房を奮発する。 |
列車は「きこない」に到着。 |
人生は旅だね。でも旅は人生じゃない。 旅って何だらふ。 たびたび問題になりますが、答えは得ず。 テレタビーズ。照れ旅射ず。ラァラ♪ポー。 |
言いたい事が有るなら、はっきり言いなさいよ。 言いたい事なんかネエよ。 冷房の亡霊は、海岸沿いを走り続ける。 海の幸の予感。海の不幸の予感。 |
突然車内放送が、素っ頓狂なメロディー。 |