浮き沈みはあるけれど、音楽大河が綿々と流れ、その中で流行り廃れがある。
と思ってるでしょ?違うんだよ。
人間は住む家が必要、という程の意味では音楽は絶対必要な物ではない。
家でさえ百年前、50年前、現在では意味が違うから構造も違うけど、
ましてや音楽は人それぞれ。世界共通言語ではない。断じて。
むしろ宗教に近いね。

宗教とは何か。人間は何かを信じなければ生きて行けない。
仕組み。世の中。社会。愛。言い方は色々あるけれど。
「世の中すてたもんじゃない」と思わなければ、やってらんない。
私は「世の中」なんて曖昧で息苦しいのは苦手なんです。
そんな人達の為に宗教が発明された。宗教は筋が通っている。
嘘は嘘なりに。遠大なる嘘は真実よりも正しい。

風呂敷を広げ過ぎました。
私は世の中も、宗教も嫌いですが、音楽は宗教みたいなもんだ。
世界共通言語ではない。太古より流れ続ける大河ではない。
むしろ個人的な。その時に貴方がハマった対象。個人的宗教。
つまり恋愛ですな。宗教は神様に対する恋愛です。
私に取ってのBeatlesは、いつか卒業するべき物ではない。
初恋です。永遠の片思いです。
現在55〜65才の人々、1950年代生まれの人間の宗教、初恋、片思い。
私は、ど真ん中。
Beatlesは宗教ではないが、奇しくもJohnが比較してる。
1966.3.4「キリストより人気がある」と発言して大問題になる。
全米30局のラジオ局がビートルズの放送を禁止。
シカゴでの出迎えは僅か200人に激減。狙撃予告まで出たそうです。
コンサート活動の停止は、身の危険が暗示された事が大きな理由だとか。

大概の宗教では偶像崇拝(英、idol)を禁じている。
何故なら、勝手な解釈が起こり得るから。
Beatlesはどうであろうか。思い入れってのは身勝手な物だろう。
恋愛ってのが、そもそも、相手に対して身勝手な思いを募らせる。
身勝手なくせに、相手の全てを、本当の事を知りたがる。
私もBeatlesに関して、知りたい。知る事がワクワクする。


ジェフ・エメリックの『ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実』
読み始めた。これは2005年に書かれた新約聖書だな。
あと『The Beatles アンソロジー』編集・古森優
(リットーミュージック)B4変形、368頁、重さ3kg。
エメリックの本は616頁。まだ100頁しか読んでません。
書き出しはリボルバー。4年間休み無く働き続けたBeatlesが、
1966年初頭、件の「キリスト人気」発言の直後、
3ヶ月の休暇を経て7枚目の録音を始める。
Tomorrow never knows。Johnが自分の声を、
「ダライラマが山のてっぺんから歌ってるようなサウンドにして欲しい」
と言い、エメリックがレスリーを使ったのは有名な話し。
(レスリー声は曲の87秒目から。)
私もecho-u-nite「惑星」で合唱にリアル・レスリー通した。
鎮魂の「トンネル抜け」でも試したけど、
何故か効果が薄くて、その時は諦めたのでした。
エメリック本、ワクワクする〜ぅ。気になって、
『Beatles Recording Sessions』等も合わせて読む。
当然音も聴きたくなり、ステレオとmonoと、
CDアンソロジー2と、海賊版と4種聴き比べ。際限無し。
カッコエ〜。てゆか過激。コード進行とかなし。
ドラムLoopに各種SEや逆回転ギター等、てんこ盛り。
1966初頭に、よくもこんな過激な発想ができたもんだ。
今ならパソコンの付録で全部出来る技術だが、
じゃぁやって御覧なさい。こんな過激な音には絶対にならない。
ジェフ・エメリックの分厚い本、32頁からは自叙伝に戻り、
アビーロードスタジオに就職して、Beatlesがデヴューした頃の話し。
この本ではジョージと言えばハリソンではなく、George Martin。
私が初めて買ったBeatlesのLPはアビーロード。1969年から遡る。
実は余り買ってない。周りの人間が皆で買うから。ひねくれていた。
それでも『ラバーソウル』までは遡って買ったけど、
それ以前の初期Beatlesは、実はCD時代初めて買ったのでした。
今回このエメリック本を読み始めて、ほんとにワクワクして、
当然1枚目から聴き直してみたくなった。
日本発売のファーストは1966? ジャケも違う。
曲順とジャケがオリジナル通りになったのは1976。
日本で英オリジナルと同じmonoが発売されたのは1982ッ!
遅っ!Virgin VSをやってた頃だぜ。てゆうか、あれれ?
2009の『stereo-BOX』に「初期4作は初ステレオCD化」
と書いてあった。当初LPはステレオ、CDがモノだったのね。
では。中古で買ったmono BOXから1枚目を聞いてみよう。
ギョ!左右に分離してる。ヘッドホンで確かめてみる。
私の脳が終わったのか?stereo盤を聞いてみる。同じやんけ!
謎なぞ中級編。皆さんで推理してみて下さい。
考えうるのは、monoBOXを買った客が、stereoと聞き比べて、
しまう時にジャケットを取り違えた。後にmonoBOXを売った。
それを私が買った。としか思えない。
その客のstereoBOXにはmono盤が入ってる訳ですよね。
私は大好きなBeatlesのデビュー盤をオリジナルの音で聞けない、
という間抜けな状態です。それが私らしさ。

Beatlesは、最初からEMI(アビーロード)の第2スタジオです。
1963年3月5日、From me to youの録音も、勿論ここ。
1970年3月6日、最後のシングル、Let it beの発売日だが、
70年に4人が揃うことは、もう無いのでした。
23年後、1993年3月5日、この場所で写真撮ってもらった。

永瀬くんと森川氏と私で、彼のCDのダビングとmixをしました。
あの時は滅茶多忙で、感慨に浸ることも無かった。残念よ。
メトロ、e-u-n、yapoos、あがた、杏子、その合間に永瀬録音。
録音は第3スタジオだったけど、2スタを見学させてもらった。
別名Beatlesスタジオ。殆ど保存されている。サイケな照明も。
外人が編集作業をしていた。ハシシの匂いがしましたよ。
この骨董品のような卓も。さすがに今は無いであろうなぁ。
あの時から数えても21年経過した訳です。
もっと沢山写真撮ってもらえば良かったなぁ。
ちなみに、日記には「鋤田正義氏にスナップ撮ってもらった」
と書いてあるけど。これは森川氏に撮ってもらった、だろね。

Beatlesが、最初から最後まで使っていたスタジオ。
White Albumの録音時は、オノヨーコがBedと共に居た筈。
The endでは、John、Paul、George3人共ギターを持って、
この階段を降りて行って、2小節ごとのバトルをした訳だ。
その場所を訪れたってのは。溜め息だね。自分が羨ましい。
2014.12
 
 

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